嵐が過ぎて

>>>>締め切り>>>>

 そして今回の特別転進援助制度への募集が一週間早めて締め切られました。
全社では当初の予定の2倍近い応募になったと聞いております。また、当山梨県の工場からの応募者は100名に達したとの噂でした。全社の平均的な応募人員比率から見ると非常な高率と思われます。やはり他工場への生産工程集約の話が影響しているのでしょう。
こうして我々は自分で選んだ道ながら、これからの人生とさらなる可能性を自らの手で切り開いていくこととなったのです。

>>>>いろいろと>>>>

 さて退職が確定するといろんな手続きや決めなくてはならないことがたくさんありました。いかに自分の生活が会社と深く繋がっていたかを思い知らされました。年金積み立てを年金にするか一時金でもらってしまうか、保険を継続するかどうするか、などなど。あれやこれやで友人達と相談したりしながらそれぞれに決めました。人事のS嬢はわからないところをいろいろ詳しく説明してくれました。
 仕事の上でも、この仕事は誰が引き継いでくれるのか、この仕事は何とか退職までにけりをつけよう、これは一緒にやって覚えてもらおうなどと大忙しです。なぜか会社からは退職する人の発表がありませんから、彼がいれば大丈夫だろうと安心はできません。いちいちお前は転職組ではないよなと確認する始末です。こうしていよいよ最後の日がせまってまいりました。

>>>>嵐が過ぎて>>>>

 転進する人たちは、会社での最後の日をどんな気持ちで過ごしたのでしょうか。物を整理していろいろとあった昔の事を思い出したり、あるいは職場の友人たちといろいろ話をして別れを惜しんだり...。いずれにしても人生の小さな区切りがつくこの日、人それぞれの思いがあったことと思います。
 転進を決意する迄の心の中の嵐、決めた後の手続きや仕事に追われた多忙の嵐。これらの嵐が過ぎ去って、ああしばし平和な時が過ごせるのかなと思ったのはきっと私だけではなかったでしょう。

 でも本当の嵐は...これからなのかもしれません。

 ...「5.仲間たち」 へと続く