ゆらぐ心

>>>>迷い>>>>

 会社の状況や工場の今後、各人の応募した場合の条件、人によっては今後の方向などが提示され、あとは各人の判断に任されました。
 でも一番心配なことは、この不況の中、やはり再就職の問題です。
会社の契約した再就職支援会社の説明会も開催されました。ある人が、独立したいとか農業や漁業などサラリーマン以外に就きたい希望でもきちんと支援できるのかと聞きました。説明した方は、本来企業への再就職が主だができる限りのことを必死にやると答えました。それを聞いて転進を決心した人もおりました。
 みんなはどのように考えたのでしょうか。私は...迷いました。
多くの人が、多くのことを考え、そして真剣に悩んだことでしょう。

>>>>ゆらぐ心>>>>

 今の仕事や給料などに不満があって即断できた人も、中にはいたかもしれません。
しかし多くの人は長い間この工場に勤め、自分の仕事や会社に愛着を持ち、そして多くの友人や仲間がいました。
転進して得るものは何か、失うものは何か、今のこの不況の中でいい再就職先が見つかるのだろうか、自分の夢が実現できる機会かもしれない...
 単にお金のことだけ言えばこのまま会社に残った方がほぼ間違いなく有利です。
ただ、自分の生まれ育ったこの地でずっと家族と共に暮らしたい、もっと自分に合った仕事を探してみたい、何かちがうことをやってみたい、...人それぞれに自分の思いと失うものへの愛着、そして、今後の不安との間で心はゆらぎます。

>>>>そして決断!>>>>

 そしてある者はこのまま会社に残り場合によっては仕事や勤務地の変更を受け入れようと、ある者はこれを機会に自分のキャリアを高めよう、そしてある者は自分の夢を実現しようと、人それぞれに決断をしたのです。
心の中はまさに嵐でした。どちらに行けばいいのだろう、自分だけでなく家族のことも考えて。でも、自分で道を選ぶ事ができた我々は、とても幸せだったのかもしれません。

 ...「4.嵐が過ぎて」 へと続く